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筑波大の学生方に、銘文制作のため書き入れしに来ていただきました。


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紙の畳紙と、国絵図を収める桐箱です。


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本日、無事完成しました。


今回の記事で作業工程のご報告は最後となりますが、


国絵図に関する情報発信は、今後もこのブログをメインにして参りたいと思いますので、


どうぞよろしくお願い致します。


 


それでは、本日の作業工程をご説明します。


緑青を塗った松の木に、濃墨を使用して枝を描きます。


使用している筆は"白玉面相"です。


先の細い筆で、丁寧に描いていきます。


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枝を描き終わった所で、彩色は終了です。


画面全体を見渡し、細部が抜け落ちていないか最終確認をします。


 


次に、表面から"いぼた蝋"を全体にまぶします。


"いぼた蝋"は、モクセイ科のイボタの木に寄生する虫(いぼた虫)の分泌物を集めて作った蝋です。


粉状になっており、ガーゼ等に包み使用します。


表面に落ちた粉を、軽く擦ることにより効果がでます。


本来は掛軸の裏面などに使用します。


 


絵図を畳んだ際に顔料同士の摩擦を防止します。また、程よい光沢を得ることができます。


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余分な"いぼた蝋"をガーゼなどで払います。


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画面を蛇腹状に畳みます。


まず裏面に返し、中央を畳みます。


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原本に則した手順で畳みます。


正確に採寸し畳まないとズレが生じてしまうので慎重に作業を進めます。


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南北方向が畳み終わったら、東西に移ります。


中央から畳みます。


ここまで進むとかなり扱い易いサイズとなります。


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今回の備前国絵図(岡山大学図書館蔵)には、表紙が無いためこれで完成となります。


この後は、紙の畳紙作成、銘文などの書き入れなどを行う予定です。


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耳折りにはいります。


 


四辺の張り手を丁寧に剥がし、画面を裏に返します。


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平行をだすために星突きで印を付けます。


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星突きで印を付けた箇所を目安に、定規を置き篦で跡を付けます。


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裏面から跡を付けた後、表面から篦で持ち上げ折り目を付けます。


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折り目を付けた箇所から、約1センチの糊代分をとり丸包丁で裁断します。


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最初に東西の辺を裁断し、次に南北を整えました。


東西の平行をだした後、南北も同様に平行をだします。


南北側を裁断した時、画面が菱形にならないように角を直角にします。


直角三角形の三辺の長さの関係を表す定理、ピタゴラスの定理を利用しました。


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四辺が綺麗に化粧断ちされた後、糊代分に濃い目の糊を塗ります。


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糊が乾燥する前に素早く折り返します。


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当て紙をして、アイロンで押さえます。


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重しを載せて、しばらく乾燥させます。


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